怖いから

地震のことはあまり書かない。というか書きたくない。書くことが本当に自分の身に起こってしまうから。私はこれからあの規模より少し大きなものを現実のものとして突然受ける日が近い将来必ず来る地域にいる。テレビで見る光景がいつかは自分の身に降りかかることがもう決定されてる。来ることが分かっているのにも関わらず逃げることができない。いつくるか分からないそれに対して出来る限りの備えをすることしかできない。そして被害を受けることだけが決定稿になっている。日々危険度は増していって、あらゆるメディアが謳うように本当にいつ来てもおかしくない状態。今この瞬間、この文章を書いている最中に来ても決して不思議ではない状態。そんな状況の中で私は暮らしているということを、地震のニュースが入るたびに改めて強く認識する。今回の福岡での地震中越地震もその認識の一つ。ああ、これが来るんだなあ、って。怖くて思い描きたくもない画は、ブラウン管の向こうの世界で現実に起こってた。怖い。ただただ怖い。怖かった。
特番とか頻繁に組まれるのに、それでもやっぱり人の意識は薄い。福岡の地震と、新潟の地震。この二つは私にしてみれば「お前らのところも来るんだから今すぐ備えろよ」っていう警告にも見えた。


今日、地震雲のようなものを見た。そして写真を撮った。昼の2時過ぎのことだった。飛行機雲とは少し違う長く太くのびた雲。怖かった。眼科からの帰り道、空を見た。まだやつはいた。怖かった。ああ、来るのかな、なんて思ったら怖くて友達にメールした。机の上に乾パン置いてる友達と、「あーあ、もうダメだね〜」なんて笑った。本当は笑えないことなのに、笑うしかなかった。
出来ることならば、もうすぐ来るヤツを拒みたい。


そんな私の部屋のベッドの上。MDコンポがどーん、と構えてる。縦揺れでも横揺れでも、どちらにせよ私の頭の辺りに落ちるんですけど。
こんなことを書きながら、やっぱりどこかでブラウン管の向こうにある世界は他人事になってしまう。いずれ自分の身に降りかかることになっても、やつが来るまでは他人事に思える。他人事が他人事じゃなくなる前に備えなくちゃ。